今日5月18日は、東條恭子県議をお誘いして、二人で徳島県社交飲食生活衛生同業組合にお伺いしました。新型コロナで廃業が相次いでいると5月17日の徳島新聞の報道を読んで、じかに実情をお聞きするためです。
お話によると、秋田町を中心に徳島市の繁華街には、およそ600から700の店がありますが、このうち居酒屋、ラウンジ、バー、スナックなど、昨年12月末時点で148店で構成するのが、同組合です。これには、キャバクラ等の風俗関係は、原則含まれていません。組合加入店のうち4月から15店が閉店。カラオケやマット会社等関連する業者からの情報をもとに推計すると、600から700店のうち50店程度が、閉店しそうだということでした。
各店の経費支払いで困るのは、同組合の場合は、やはり人件費が一番だそうです。ラウンジ等で人気のある女性を解雇せず、残ってもらうためには、本来なら休業しても給料を保障される、雇用調整助成金の制度を使いたいと経営者は考えます。ところが、女性のほうでは、手続きの中で本名を役所に出すことに抵抗があり、結局、ほとんど使えないということでした。
そこで、しかたなく助成金をあてにせず、経営者がコロナ対策の貸付金制度を申請して、身を切って乗り切ろうとしています。閉店に追い込まれた店は、コロナ禍の前からジリ貧状態だったところが多く、それもできないとのことでした。
「今回は何とか、しっかり借り入れ制度を活用して、生き残れるかもしれません。でも第2波、第3波が来たら苦しい。アウトです」ということでした。今回、県は業者に休業要請をせず、協力金の支払いをしませんでした。しかし、接客を伴う店やカラオケを置いているスナックやバー等は、県がお客に対して店に行くことを「自粛」するよう求めたため、お客の入りは1割から2割程度に減少したといいます。飲食だけの居酒屋でも5割程度かというお話でした。
一方で、組合に入っていない風俗店などは、特に初めのうちは、客引きによる営業で県外客の利用も見られ、「コロナ感染が発生しなかったのは幸運」との感想でした。
行政の対応については、組合員から、休業要請がなかったから、協力金ももらえなかったと怨嗟の声も聞かれるそうです。また、家賃保証制度についても、早くしてほしいそうです。客に対する「自粛」要請により、店を開いていることもお客が行くことも「悪」とみられたつらさも、語っていました。
同組合は、緊急事態宣言が解除されたいま、遊戯組合(パチンコ等)の取り組みも参考にし、県外客をお断りし、入店者の連絡先を確認することにしています。ただ、組合としては、免許証の確認までは要請しないとのことでした。
お話を伺って思ったのは、①雇用調整助成金申請にあたって提出した個人情報が、厳密にこの制度の中だけで使われて、他の役所と共有されない仕組みが必要だということ、②第二波がやってくる前に、県がしっかり休業要請をし、それを国がしっかり財政支援できる仕組み作りが急がれること、等でした。
ちなみに、他県で一部やっている、利用券を常連客に売って(あるいはキープしてもらって)、当座の資金繰りにあてて、コロナが終わってから使ってもらおうという取り組みは、徳島ではやらないということでした。第二波がきて、もしかすると次回はやるかもしれないが、今回は経営者が耐えて「お客に手を振らない」とのお話からは、客商売の心意気を感じました。