5月22日、私は、吉田益子県議、東條恭子県議、三原大輔板野町議と一緒に、4人で徳島県医師会にお伺いし、事務局長さんらからお話を伺いました。
お聞きしたのは、新型コロナウィルス検査の検体を採取するドライブスルーの取り組みが中心ですが、第二波にむけた体制づくりについての意見交換もしました。
ご説明によると、県の委託によりドライブスルー検査に参加しているのは、全県の100人程の医師です。人件費は、医療保険ではなく、県からの委託費から出ています。前日相談があった患者数にあわせて、当日の検体採取に医師と看護師に来てもらいます。医師1人と看護師1~2人で1チーム。事務員や県からの職員もいます。対象者が多ければ、医師・看護師は2チームにもできます。
そして、県医師会には、いま一日5件程度、かかりつけ医から相談が寄せられ、うち軽症の人は全てドライブスルーで検体を採取したうえで検査に回されており、開始した5月2日から21日までに89件だというお話でした。ただし、子供や妊婦、症状の重い人は、保健所に回され、帰国者・接触者外来で検体の採取がおこなわれています。
この説明で、かかりつけ医からの検査希望分は全部検査に回されているのだろうかという、私がずっと持っていた一つの疑問が、ようやく解消されました。ただし、全県で1日に発熱している人が1桁であるはずがなく、かかりつけ医さんが、医師会に連絡せず、患者から保健所に相談するよう勧めた分があれば、それはどうなっているのかという疑問は、まだ残っています。
私が持っていたもう一つの疑問は、「医師の判断」だけで検体採取と検査を依頼できるところまで、検査対象を選定する基準が緩和されてきただけに、かかりつけ医は、一体どこまで患者を診察したうえで、検体採取の必要性を判断し、医師会に依頼しているのだろうか、ということでした。
現実の問題として、発熱外来を持たない医療機関では、院内感染予防のため、車の窓越しの「診察」だけで、発熱者を病院や診療所の建物の中に入れないところも多いからです。発熱外来を持つ健生病院の取材では、開業医さんから発熱者の診察依頼があるということでした。それは、自前で発熱者を見ることが心配な医療機関がある事実を示しています。この疑問点について、県医師会でお尋ねしたところ、「どこまで診察するかという基準はない」とのお答えでした。
しかし、それだと、もし発熱者が一気に増えれば、レントゲン検査をするなど最小限の診察もできないまま、かかりつけ医から医師会に次々検査依頼が来ることも考えられます。そうなると、診察によるトリアージ(選別)をせず検体採取だけ行っている現状のドライブスルーでは、検体数が検査能力(現状一日96件上限)を上回ってしまう恐れがあります。
ただこれについては、今後、抗体検査キット等が普及して、かかりつけ医やドライブスルーで、比較的簡単に感染の可能性が判別できるようになれば、その後で、より精度の高いPCR検査に回す件数は、ずっと絞り込めると思われます。
もちろん、その場合でも、医療関係者を守るために、発熱者とそうでない患者との動線を分離して診察できる発熱外来の必要性は、変わりません。
私は、「発熱者をしっかり診察できて、コロナかどうか判断をした上で、PCR検査の検体採取に回せるような体制整備が必要なのではないでしょうか」、具体的には、「開業医が共同で利用できる発熱外来の整備が今後もっと必要になるのではないでしょうか」という意見を申し上げました。
それを、既設のドライブスルーと組み合わせると、新型コロナウィルスの第二波だけでなく、新型インフルエンザ等、今後の感染症対策の基本型ができるのではないかと、私は思います。
意見交換の最後に、事務局長さんは、ドライブスルーの取り組みについて、「最初はドクターも『できるのか』という不安もありましたが、実績ができたので『我々の地域でもできる』となっていくと思います。」と、今後県南や県西部等、必要に応じてドライブスルーを県全体に展開していく取り組みに自信をのぞかせておられました。